ニューシングル「同じ月を見ている」リリース記念インタビュー インタビュー・文/長井英治

「猫森集会2012」を無事に終え、10月24日に「夜のブランコ」(1994年)以来となる久々のシングル「同じ月を見ている」をリリース。そして、「谷山浩子コンサート~デビュー40周年大感謝祭~」を目前に控えた谷山さんに緊急インタビューを行いました。NHK「ラジオ深夜便」の2012年10~12月度「深夜便のうた」としてオンエアされている「同じ月を見ている」についてのことを中心に近況をうかがいました。「猫森集会2012」に行かれた方、そして「谷山浩子コンサート~デビュー40周年大感謝祭~」に行かれる方、必読の内容です。

同じ月を見ている / 谷山浩子

【デビュー40周年記念 第3弾】
NHKラジオ深夜便
2012年10~12月度「深夜便のうた」

「同じ月を見ている」

発売日: 2012年10月24日(水)
発売元:ヤマハミュージックコミュニケーションズ
品番:YCCW-30030
価格:1,050円(税込)

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--「猫森集会2012」、本当にお疲れ様でした。こちらも楽しませていただきました。まずは終えられての感想をお願いします。

年々、体力的にはきつくはなっているんですが、今回は体調も悪くならなかったし、無事に終えることが出来てよかったです。6月にひどい風邪をひいたときは、このまま声が出なくなるんじゃないかと、一瞬頭をよぎったりしましたので、最後まで調子よくコンサートをできてホッとしています。今回はとくにDプログラムのときに、座ってトークを出来た事がよかったです(笑)。衣装の靴ってヒールの高いものが多いので、年々立っているのがきつくなるんですよね。ぺったんこの靴は背も低くなるし、衣装にも合わないので仕方ないんですけど……。

--Aプログラムの六角精児さんとの共演はどのような感じだったのですか。

六角さんはアコースティックギターで、ご自身でセレクトされたを3曲歌われて、そのあとは、私のサポートミュージシャンとコーラスをやっていただきました。六角さんは、俳優と並行して本格的にフォークシンガーの活動をしているんですよ。私が見た、六角さんのライブは、大槻ケンヂさんの弾き語りコンサートにゲスト出演しているときでした。ドが付くようなフォークなんですけれど、すごく筋が通っているなというのを感じました。小学生のときに六文銭を聴いて感銘を受けたそうなので、共鳴する部分がありましたね。

--谷山さんは小室等さんのファンですものね。BプログラムのROLLYさんはいかがでしたか。

ROLLYさんと一緒に作ったアルバム『ROLLY&谷山浩子のからくり人形楽団』を曲順通りにやりました。ファンの方からのアンケートに「曲順通りにやった所がよかったです」というのが多くて、それがとてもうれしかったです。ROLLYさんはレコーディングでは、歌とギターを別々に録っているわけですから、ライブのためにすごく練習をしたそうです。それでも、時々歌が抜けてしまったりして。ROLLYさんが「ちゃんと出来るほうがおかしい」と言っていました(笑)。「さよならDINO」のときはギターソロ弾きつつ、歌いつつ、恐竜の人形まで出してきて芸までやっていました。もう無理矢理感満載(笑)。しまいには、その人形を投げ捨てたりして。

--それは楽しそう(笑)。でも、リハーサルも大変だったんじゃないですか。

ROLLYさんとはある程度、レコーディングで意思疎通できていましたし、あとはROLLYさんがご自身で千本ノックをやるのみで……(笑)。

--Cプログラムの「オールリクエスト・デイ」はいかがでしたか?

昨年、台風で延期になった公演が「オールリクエスト」だったんです。振替公演の時のリクエストのときに「わたしじゃない月のわたし」(アルバム『心のすみか』に収録)のメロディを忘れてしまって、お客さんに歌ってもらうという、ハプニングがあったんですが、今回のリクエストでは止まってしまうような曲はほとんどなかったですね。過去に一度メロディが分からなくなってしまった「月見て跳ねる」のリクエストも来たんですが、変拍子の間奏はなしにしましたので、大丈夫でした(笑)。

--逆に、こんなリクエストもらって谷山さんがうれしかったリクエストはありましたか。

「ハサミトギを追いかけて」と「テングサの歌」のリクエストが来たときに、私のピアノとトモさんの打楽器のみで歌ったんです。それがとても歌いやすかったんです。思わず(石井)AQに打ち込みをやり直してほしいとお願いしてしまいましたから(笑)。

--リクエスト・デイのリハーサルというのはどのようにしてやるんですか。

リクエスト・デイって私の曲の虫干しみたいな感覚ですよね(笑)。リハーサルはスタッフにリクエストしてもらった曲を歌ったりします。今回「旅人」をたまたまリハーサルしたんですが、見事にリクエストが来ましたね。あの曲はとても難しいので、何故かリハーサルしていたんです。本番では間違えることなく歌い切りました(笑)。

--Dプログラムはいかがでしたか。今回のゲストは中村 中さんと持田香織さんでした。

同じプログラムでゲストが2人というのは初めてです。中村 中さんはご自身の曲「友達の詩」と「星のマリオネット」と「まっくら森の歌」を歌ってくれました。中さんは人間がすごくオープンで、すごくいい方ですね。情念系の方なので、「まっくら森の歌」がかなり情念系でした(笑)。まるで私の曲「骨の駅」のような感じで。そして、私が「友達の詩」のピアノを弾いたのですが、それが今回いちばん緊張しました。ピアノが難しくて、中さんからリハーサルの時に「しっかり練習してくるように!」と冗談っぽく言われました。

--持田香織さんの回はいかがですか。

持田さんの回は持田さんの出番が終わって、帰ろうとしたときに、「何か言い残した事はありますか?」と聞いたら「たくさんあります」という話になって、そこからインタビュータイムが始まったんです(笑)。「いつから猫森集会はやっているんですか?」みたいな。「そこからかよ!」っていう。持田さんってホントの意味での天然な方なんですよ。面白い方です。

--Dプログラムはオールナイトニッポン二部を再現するスタイルが新鮮でした。

そうですね、懐かしい感じでしたよね。時計を深夜3時に合わせて明け方の5時に終わるという設定にしたり、番組にゲストをお招きしてという感じで歌っていただいたのが、いかにもラジオっぽい構成でした。私自身、すごく楽しかったです。ジングルやCMタイムなどもとてもこだわって作ったので。

--素晴らしい演出だったと思います。でも、これだけ内容の濃いプログラムを終えられると、終わった後はどっと疲れがでるんでしょうか。

普段はコンサートの次の日は起き上がれなくなったりするんですが、猫森集会の最中はアドレナリンもドーパミンも出ていると思うので意外に平気なんです。公演が全部終わるとやはりホッとするのか、今回は風邪をひきました。コンサートが終わると逆に眠れなくなったりしますけど……。先ほども言いましたけど、今回はDプログラムのときに座れたのが、ホントに体力的に楽だったので、来年は座らせてもらおうかな(笑)。立っていると、ついつい歩き回ってしまって逆に疲れちゃうんですよね。

--来年からトークは座ってやってもいいんじゃないでしょうか(笑)。リクエストのときはあちこちに移動して、ファンから直接リクエストを受けるというのも、谷山さんならではですよね。

あれは、青山円形劇場で101人コンサートをやっている時からの風習ですね。あのときは客席が4段くらいしかなかったと思うので、目の前でダイレクトにリクエストを受けることができたんです。

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★リリース情報

【デビュー40周年記念 第3弾】
NHKラジオ深夜便
2012年10~12月度
「深夜便のうた」

同じ月を見ている / 谷山浩子

「同じ月を見ている」
谷山浩子

2012年10月24日(水)
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
YCCW-30030 1,050円(税込)

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【収録曲】

  1. 同じ月を見ている
  2. まっくら森の歌
  3. 恋するニワトリ
  4. 同じ月を見ている(カラオケ)

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